教えて先輩! 過去の固定概念を捨て、副主任として開けた新しい保育の視点 衛福大2000年度卒 13年目のHさん | 教えて先輩 | 東峰保育園 公式ブログ
〜教員・教師にとどまらず、子どもの心に火を点す「教育者」への挑戦〜
【巻頭言:園長が目指す「教育者」とは】
国民教育の師父と称された哲学者・教育者の森信三先生は、「教員」「教師」「教育者」の違いについて、次のような鋭い言葉を残されています。
・自らの生活(衣食住)のためにやる人を『教員』といい
・知識や技術を授けることを任務にする人を『教師』といい
・子どもの心に火を点す人 これを『教育者』と呼ぶ
ただ決まったスケジュールを消化し、子どもを安全に管理するだけの「教員」や「教師」で終わるのか。それとも、子ども自身が自律し、20年先の未来をたくましく生き抜くための魂と心に火を点す「教育者」となるのか──。
東峰保育園は、現場で働くスタッフ一人ひとりが自分自身の足で立ち、子ども達の心に火を点す本物の「教育者」として成長し合える場所でありたいと考えています。
試行錯誤の末に辿り着いた「東峰で保育をする」ということ
東峰保育園に勤めて13年目になります。現在は副主任として主任を補佐しながら、若手スタッフに仕事の進め方や「園長の思い」を伝える役回りを担っています。
しかし、私が副主任として今のステージに立つまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。養成校を卒業してから前職までに培った「従来の保育観やマニュアル習慣」があったからこそ、東峰保育園の柔軟で自律的な保育にぶつかり、強い「ギャップの壁」に苦しむことになったからです。
1. 「指示を待つ作業」から「自ら考え、本質を見抜く保育」への葛藤
養成校を卒業後、宇都宮市郊外の私立保育園に7年間勤務しました。その後、夫の転勤と出産を機に茨城県の大規模保育園で3年間パート勤務を経験し、夫の転職に伴い地元・宇都宮へ戻ってきました。
当時は2歳の娘の預け先が見つからず、「保育士なのに子どもを預けられない」という葛藤の中にいましたが、「子どもと一緒に通える」という東峰保育園との運命的な出会いがあり、正職員として復帰を決意しました。
しかし、いざ現場に立つと、これまでの10年間の経験がむしろ大きな足かせとなりました。
それまでの園では、決められた日課を事故なくこなし、「子どもを危険がないよう監視する」「大人の指示通りに動かす」という関わり方を教わってきました。
ところが、東峰保育園で求められたのは真逆のアプローチでした。
「子どもを思い通りに動かそうとせず、子どもと一緒に主体的に遊ぶこと」
「指示を待つのではなく、保育士自らが考え、環境を整え、問題を解決していくこと」
時代や環境の変化に合わせて常にアップデートを続ける東峰保育園の環境下で、前職での「決められた作業をこなす癖」が抜けない私は、日々変わる状況に頭も心も追いつかず、「今まで培ってきた10年の経験は何だったのだろう……」と心が折れそうになりながら思い悩む日々が続きました。
2. 「東峰方式」の真意に気付いた時、保育の景色が変わった
何度も壁にぶつかり、自分の固定概念と向き合い続ける中で、ある日ハッと気付いたことがあります。
一般的な「お預かり」の枠内にとどまる保育や、外部から購入してきたパッケージ(借り物のプログラム)を当てはめるだけの保育では、子ども達の本当の根っこは育ちません。園長先生が提示される「東峰方式」は、目先のパフォーマンスや早教育ではなく、「子どもが大人になったときに、心身ともに健康で自立し、幸せな人生を送るための20年先を見据えた教育」なのだという根本のゴールが、腑に落ちた瞬間でした。
単に知識を与える「教師」ではなく、
・自分で考えて行動できる「自律心」
・困難に向き合う「粘り強さとレジリエンス」
・周囲への思いやりや高い「自己肯定感」
こうした非認知能力や「知・徳・体・芸術・心」の五育をバランスよく育むためには、保育士自身が「自分自身の頭で考え、自律して動く教育者」でなければならないのだと深く理解できるようになりました。
そこからの私の歩みは一変しました。6年目に年長クラスの担任を任され、卒園まで子ども達を育て上げた際、たくましく自信に満ちあふれた顔立ちになった子ども達を見て、胸が熱くなるほどの感動と達成感を味わいました。
3. 感情的な指導から解放され、子ども達と心を通わせる喜び
東峰保育園では、保育士の都合や押しつけで子ども達をコントロールすることは一切しません。保育士が子どもを自分の思い通りにさせようとすると、そうならない時に感情的な怒りが生まれ、それが近年社会問題となっている「不適切保育」の一因になってしまいます。
子ども達一人ひとりの「やってみたい」という意欲を受容・尊重し、自立を支える姿勢が身についたことで、私自身も感情的に怒ることがなくなり、心から子ども達と向き合えるようになりました。子ども達がありのままの自分を表現し、安心して過ごせる環境を作ることこそが、本当の保育なのだと実感しています。
4. 20年後の我が子の姿が証明してくれた「土台の正しさ」
私と一緒に入園し、東峰保育園で3年間を過ごした私の娘は、現在中学生になりました(※現在は高校生へと順調に成長しております)。
探究心がとても旺盛で、周囲に常に温かい仲間がいる自立した生徒に育っています。幼い頃に東峰保育園で自分の良い面を見出してもらい、様々な挑戦を通して育んでもらった「自分で考え、選び、乗り越える力」が、彼女の人生の確かな土台になっていると、親としても確信しております。
現在、私は園見学にお越しになる保護者様への案内役(代表)も担っております。初めての方にも、東峰保育園が大切にしている「20年先を見据えた教育の価値」を分かりやすく噛み砕いてお伝えすることが私の使命です。
安易なマニュアルに頼らず、自分自身で考えて行動する保育は、最初は大変で長い道のりかもしれません。しかし、それを乗り越えた先には、子ども達の劇的な変化と、保育士としての圧倒的な成長という素晴らしい景色が待っています。
インタビュー Q&A ~現場のリアルな働きやすさと環境~
Q. 子どもの急な体調不良や、家庭の事情への対応はできますか?
A. はい、柔軟に対応できます!私自身、夫が単身赴任していた時期には固定勤務などの配慮をしていただきました。また、土曜出勤時や小学校・中学校の急な休校時には、自分の子どもを職場に連れて来られる環境があることも、大きな安心感に繋がっています。職員同士が「お互い様」の温かい気持ちで助け合う文化が根付いているため、子育てと仕事を無理なく両立できています。
Q. 中途採用やシニア世代で入職されている方は他にもいますか?
A. たくさん活躍されています!40代・50代で中途採用された方も現場の第一線で力を発揮されています。他園での経験を活かしつつも、過去のやり方に固執せず「東峰の新しい保育」を素直に吸収される方は、しっかりと評価される風土があります。私自身も中途入職ですが副主任を任せていただいています。年齢や職歴にとらわれず、周りと協力しながら成長したい方には最高の環境です。
Q. お休み(有給休暇や連休)は取りやすい環境ですか?
A. とても取りやすいです。当園は正職員の比率が高いため、お互いに業務をフォローし合いながら計画的にお休みを調整しています。ゴールデンウィークやお盆期間なども、希望を出して数日間の連休を取得することが可能です。土曜出勤やシフトの変更もスタッフ間でスムーズに交換・協力し合えるため、プライベートも大切にしながら安心して働けます。
Q. 保育士として、どんな時に大きな喜びや成長を感じますか?
A. 子ども達と一緒に新しい発見を共有できた瞬間です!東峰保育園では、自然に触れる園外活動や探究心をくすぐる活動が数多くあります。年齢を重ねた今でも、子ども達と一緒に「何だろう?」「やってみよう!」とワクワクしながら学べる機会がたくさんあり、自分の可能性や視野が広がっていく喜びを感じています。「えいやっ!」と一歩を踏み出せば、保育士としての本当のやりがいに出会えるはずです。
Q. 東峰保育園が掲げる「柔軟で継続的な改善」とはどういうことですか?
A. 従来の「前年踏襲」や「固定観念」にとらわれず、時代や子ども達の未来に合わせて常に変化・向上し続ける姿勢のことです。古いマニュアルに縛られるのではなく、現代そして20年後の未来を生きる子ども達にとって「本当に必要な教育とは何か」を問い直し、環境や指導法をアップデートし続けています。だからこそ、現場で働く私たち自身も、常に新鮮な気持ちで挑戦し続けることができるのだと感じています。