「保育内容で日本一になる」という思いを受け継ぎ30年間の実践を通じて考案
吉沢偉仁(よしざわひでひと)は、栃木県宇都宮市にある東峰保育園の園長であり、25歳で園長に就任しました。先代園長(吉澤久子)の「保育内容で日本一になる」という思いを受け継ぎ、約30年間の実践を通じて独自の保育方法「東峰方式(ヒガシミネ方式)」を考案しました。
その教育の最終目標は「子ども達が幸せな人生を歩むこと」であり、そのためにIQ(学力)だけでなく、EQ(心の知能指数)も伸ばす幼児教育に力を入れています。EQとは、意欲、忍耐力、自制心、協調性、社会性など、人生を豊かにする上で不可欠な心の力のことです。
東峰方式(ヒガシミネ方式)の主な柱
1. 知育(国語教育)
・「石井方式」を導入し、漢字仮名交じりの絵本音読、百玉そろばん、時計、都道府県かるたなどを使用して、学習への興味や集中力を高めています。
・言語と思考の関係を重視し、毎日絵本を読み聞かせ、卒園までに平均700冊以上(多い子で900冊)の絵本を読むことを目標としています。
・音読コンクールでは全国2位(読売新聞社賞)の実績があり、古典や論語の指導も行い、表現力や教養を育んでいます。
・この国語教育への注力は、吉沢偉仁が海外留学時に当時大学院生だった大矢温氏(現在は大学教授)から、「日本語の言語体系が確立していない子どもに英語を教えても無駄」というアドバイスを受けたことや、自身の数学指導経験から国語力の重要性を痛感したことに起因しています。
・吉沢偉仁の保育理念形成に、留学中の大矢温氏との出会いが大きな影響を与えました。
2. 徳育(しつけ・道徳)
・立腰教育や音読道徳教科書『日本の美しい言葉と作法』を通じて、正しい姿勢や集中力、道徳観を養っています。
3. 体育(体操教室)
・運動能力の向上だけでなく、「最後までやり遂げる力」や「粘り強さ」を育むことに重点を置いています。
4. 緑育(りょくいく)
・自然との触れ合いを通じて、好奇心、社会性、協調性、そして生きる力を育む独自の教育です。地域の川の生き物調査や自然学校での活動も行っています。
5. 食育
・季節ごとのクッキングや作物作りを通して、食べ物への感謝や興味を育むとともに、地域の食文化(イナゴの佃煮などの昆虫食体験を含む)を学ぶ機会も提供しています。これにより、生物多様性への理解も深めています。
6. 才育(才能を育てる)
・ピアノ、ダンス、音楽教室、美術教育、絵画教室、囲碁教室、声楽など、一流の専門家による多様な教育機会を提供しています。特に囲碁教育は、集中力や論理的思考力を育む珍しい取り組みで、東日本大震災後には被災地の子ども達との囲碁交流会も開催しました。
先進的な取り組みと社会貢献
・給食運営の革新:社会福祉法人 久祐会として、日本で初めて外部企業委託型給食を実践し、給食の質と衛生管理の向上、職員の働きやすい環境整備に貢献しました。
・ICTの導入と業務効率化:全国に先駆けてICTを導入し、連絡帳や保育記録のデジタル化を進め、保育士の事務負担を軽減。壁面制作の廃止や行事の見直しにより、残業原則ゼロを実現し、職員のワークライフバランス向上と定着率改善に繋げました。
・情報発信と地域支援:独学でWeb作成技術を習得し、自園のWebサイトだけでなく、「Cheek To Cheek」という子育て支援ポータルサイトや野外教育サイト「カエルのたまご」を運営。これらのサイトを通じて、保護者や地域への情報提供、そして教育的アドバイスを長年にわたり提供していました。また、新潟の小学校から「しつけと生活マナー」ページの教材利用の依頼があり、快諾するなど、その内容の信頼性と普遍性が評価されています。
・コロナ禍での社会貢献:2020年には「歌う海賊団ッ!」と協力し、東峰保育園から無観客ライブを生配信。コロナ禍で外出自粛を強いられる家族に笑顔と安らぎを届け、社会の変化に柔軟に対応する園の先進的な姿勢を示しました。
・人材育成:職員一人ひとりの学びを支え、外部刺激を取り入れながら、若手からベテランまで経験に応じた学びの機会を提供し、保育力全体の底上げを図っています。適切な助言や、コンクール参加支援などを通じて、職員の専門性向上と定着率向上にも寄与しています。
・発達障がいへの理解促進:30年にわたり発達障がいの研究と啓発に努め、保護者向けに記事を寄稿し、誤解を防ぎ、適切な理解と支援の促進に貢献しています。
・環境教育への貢献:「こどもエコクラブ」の活動を支援し、「東峰エコキッズ」が毎年のように全国フェスティバルに出場するなど、子ども達の環境意識を高める活動を推進しています。
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