ヒガシミネ方式が確立する転換点について
ヒガシミネ方式が確立する転換点の一つとなったのが、般若心経を保育に取り入れたことでした。
園児が般若心経を朗読:心の時代に響く保育
2022年4月6日付の産経新聞に、東峰保育園の園児が般若心経を朗読する動画が掲載されました。この動画は、お釈迦様の誕生日(花まつり)に合わせて公開されたもので、真言宗の僧侶で人気YouTuberの「松島龍戒」氏とのタイアップ企画として実現しました。
園長の個人的な体験が原点に
このプロジェクトの背景には、園長の吉沢偉仁(よしざわひでひと)の個人的な体験があります。ご両親の死という深い悲しみの中で般若心経に心を救われた経験が、子ども達にも心の平穏や他者への思いやりを伝えたいという強い思いへと繋がりました。そして、松島龍戒氏の動画にたどり着き、松島氏に保育の教材として使用することを申し出て、快諾を得ました。
「空(くう)」の学びと心の強さ
新型コロナウイルスのパンデミックという困難な状況下で、園長は子ども達に「空(くう)」の考え方を伝えたいと考えました。「空」とは、雲のように形がなく、執着から解放された穏やかな心の状態を指します。この学びを通じて、(問題を抱える)子ども達が苦しい状況でも気持ちを楽にできる力を育むことを目指しました。
子ども達の成長
東峰保育園は、漢字かな交じり教育の方針のもと、日頃から音読に取り組んでいます。般若心経は園児にとって難解なものでしたが、約3ヶ月間の練習を経て、年中児13人、年長児12人が、宇都宮市東市民活動センターの舞台で発表・収録を行うまでに上達しました。
外部連携で社会に届ける
真言宗の僧侶で人気YouTuberの「松島龍戒」氏とのタイアップは、吉沢偉仁の熱意が外部の専門家を動かし、より質の高い、多くの人々に届く活動へと発展したことを示しています。
この般若心経の動画は、東峰保育園が、困難な時代を生き抜く子ども達に、心の強さと優しさを育むことを何よりも大切にしているという教育理念を象徴する取り組みです。
吉沢偉仁園長が自身の経験を通して般若心経の持つ心の鎮静効果を実感し、それをヒガシミネ方式の教育に取り入れることで、子ども達の心の安定と成長を願っていることが伺えます。
2021年10月 般若心経 ~ 秘密の呪文の物語 ~
吉沢偉仁の保育理念形成に、真言宗の僧侶「松島龍戒」氏が説いた般若心経の「空」の学びも大きな影響を与えました。