定着率向上のための取り組み
東峰保育園では、職員の定着率向上を目指し、大きく分けて「職員の意欲を尊重する人材育成」と「働きやすい環境整備」の2つのアプローチで取り組んでいます。これらの取り組みが、職員の離職率減少という具体的な成果につながっています。
職員の定着率向上への貢献
1. 職員の意欲と成長の支援
東峰保育園では、保育士一人ひとりの「やる気」と「意欲」を尊重する姿勢が人材育成の根幹にあります。
学びの機会の提供:外部の最新情報を取り入れつつ、若手からベテランまで、それぞれの経験や課題に合わせた研修機会を提供することで、保育力全体の向上を図っています。
個別指導と助言:日々の保育活動で生じる課題に対して、個別の助言や丁寧な指導を行うことで、保育士が適切な対応能力と成長支援スキルを習得できるようにサポートしています。
コンクール参加の奨励:「子どもエコクラブ壁新聞コンクール」などへの参加を推進し、保育士の企画力、記録力、表現力を高められるよう、任せきりではなく園長自らがサポートしています。
新職員への配慮:新しく入った職員には、それぞれの個性や長所を引き出すための個別指導を重視し、安心して働ける環境を整えています。
2. 働きやすい職場環境の整備
職員が過度な負担を感じることなく、本来の保育業務に集中できるような環境づくりにも力を入れています。
ICTの積極的な導入:全国の保育園に先駆けてICTを導入し、連絡帳や保育記録などのデジタル化を進めました。これにより、保育士の事務作業負担が大幅に軽減され、子ども達と向き合う時間を増やすことができています。
業務の効率化と働き方改革:日常業務の見直しを継続的に行い、負担が大きかった壁面制作の廃止や、行事の内容・規模の見直しなどを実施しています。これにより、残業を原則ゼロとする取り組みが実現し、職員のワークライフバランスが向上しました。
「子ども・保護者・保育者」三者の幸福追求:「子ども達も保護者も保育者も、みんなが幸せになれる保育」という理念を掲げ、保育者の働きやすさを追求することが、結果的に保育の質の向上につながるという信念に基づいています。
これらの多角的な取り組みにより、東峰保育園では職員の定着率が向上し、離職者の減少という成果につながっています。また、園全体のチーム力の強化にも大きく貢献していると言えるでしょう。
保育士の負担軽減と、子ども達と向き合う時間の確保
壁面制作廃止の背景
1. 保育士の業務負担軽減
従来の保育現場では、季節ごとに壁面装飾を制作することが一般的でした。これにはデザインの考案、材料の調達、複雑な制作過程など、多くの時間と労力が必要です。壁面制作の廃止は、この大きな業務負担を軽減し、保育士が心身ともにゆとりのある状態で保育に臨めるようにすることを目的としています。園では予算を設けて、季節の花などを飾るようにしています。
2. 子どもと向き合う時間の創出
壁面制作に費やしていた時間を削減することで、保育士は子ども一人ひとりとじっくり関わる時間を増やすことができます。東峰保育園の「東峰方式(ヒガシミネ方式)」は、個性を尊重し、子どもの発達段階に応じたきめ細やかな保育を重視しています。そのためには、保育士が子ども達の小さな変化に気づき、寄り添う時間を確保することが不可欠です。壁面制作の廃止は、保育士が本来の業務である子ども達への関わりに集中できる環境を整えるための重要な一歩でした。
3. 働きがいと定着率の向上
保育士の業務負担を軽減し、子どもと向き合う時間を確保することは、保育士自身の働きがいにも繋がります。過度な労働は離職の一因となるため、このような業務改善は職員の満足度を高め、ひいては定着率の向上にも寄与します。
東峰保育園は、単に壁面制作をなくすだけでなく、ICT化の推進など他の業務効率化策と組み合わせることで、保育士がより専門的かつ質の高い保育を提供できる環境を整えています。
東峰保育園が壁面制作の廃止をはじめとする業務改革を行った結果、保育士の皆さんは多方面で良い変化を実感しています。主な変化は以下の通りです。
負担軽減で変わったこと
1. 子どもと向き合う時間の増加
壁面制作にかかっていた時間や労力が削減されたことで、保育士は子ども一人ひとりと丁寧に関わる時間を確保できるようになりました。これは、東峰方式(ヒガシミネ方式)が目指す「個の重視」や「EQ教育」を実践する上で非常に重要です。遊びの中で子ども達の興味や個性を見つけ、それぞれの発達に応じた支援を行うことで、より質の高い保育が実現しています。
※心の知能指数(EQ)とは、意欲、忍耐力、自制心、協調性、社会性など、人生を豊かにする上で不可欠な心の力のことです。
2. 職員の働きがいの向上とストレス軽減
業務負担が減ったことで、保育士はゆとりを持って仕事に取り組めるようになりました。これにより、保育の質が向上しただけでなく、保育士自身のストレスも軽減され、仕事に対する満足度やモチベーションアップに繋がっています。過度な残業が解消されたことは、働きがいを大いに高める要因となります。
3. 定着率の向上とチーム力の強化
働きやすい環境が整備されたことで、職員の定着率が向上しました。離職率が低い園は、経験豊富なベテラン保育士が安定して在籍し、若手への指導も充実するため、園全体のチーム力が高まります。職員間のコミュニケーションも活発になり、協力体制が強化されることで、保育の質のさらなる向上に繋がっています。
4. ICT活用による業務効率化の推進
壁面制作の廃止と並行して、ICT(情報通信技術)の積極的な導入も行われました。連絡帳や保育記録のデジタル化により、事務作業が大幅に削減されています。これにより、保育士は事務作業に追われることなく、計画立案や教材準備、そして子ども達との直接的な関わりに集中できるようになりました。
これらの変化は、単なる業務の効率化にとどまらず、保育士が「子どもと向き合う」という本来の役割に集中できる環境を整えることで、東峰保育園全体の教育の質向上に大きく貢献しています。
東峰保育園が保育士の定着率向上に貢献した具体的な理由は、一般的に保育士が離職する原因となっている課題(低賃金、長時間労働、人間関係のストレス、業務負担の多さなど)に、多角的にアプローチしている点にあります。
保育士の定着率向上理由
1. ワークライフバランスの改善と負担軽減
従来の保育現場では、イベント準備や保育記録の作成、教材の手作りなど、多くの「見えない労働」が勤務時間外に行われ、長時間労働の原因となっていました。東峰保育園では、壁面制作の廃止やICT導入による事務作業の効率化、行事の見直し(そもそも事業が必要か否かを判断し、事業仕分けを行いました)などにより、保育士の業務負担を大幅に軽減しています。これにより、残業が減り、保育士がプライベートの時間を確保しやすくなったことで、ワークライフバランスが改善されました。働きやすい環境は、特に若い世代で重視される傾向にあり、定着率向上に直結します。
東峰保育園では、クラス担任は全員が正社員(パートや派遣はいません)の保育士であるため、特定の先生に業務負担が集中することなく、みんなで協力しながら保育を行っています。この体制により、業務の分業がしやすくなり、結果として残業が少なく、定時で帰れる職場環境が実現されています。
2. 専門性の向上とキャリア支援
東峰保育園は、保育士一人ひとりの「やる気」や「意欲」を尊重し、継続的な学習機会を提供しています。
研修機会の提供:専門的なスキル習得や最新の保育知識を学べる研修機会を設けることで、保育士が自身の成長を実感し、モチベーションを維持できるように支援しています。
コンクール参加助成:園長が積極的に職員の企画力や表現力の向上をサポートし、コンクール参加を奨励することで、専門性を高める機会を提供しています。これは、自身のスキルアップにつながり、仕事への誇りややりがいを育みます。
個別指導とOJT:特に新入職員に対しては、業務面だけでなく精神面でもサポートする1対1の指導体制(OJTやチューター制度)を導入し、早期離職を防ぐ取り組みを行っています。
3. コミュニケーションと人間関係の改善
保育士の離職理由として、職場内の人間関係のストレスが大きな割合を占めることが指摘されています。東峰保育園では、業務負担の軽減や研修を通じたチームワーク強化、職員数も多すぎないことで、職員間のコミュニケーションが活性化し、風通しの良い職場環境が醸成されています。これにより、人間関係のストレスが減少し、働きやすい環境が定着率向上に貢献しています。
4. 子どもと向き合う時間の増加
業務負担の軽減は、保育士が子どもと向き合う時間を増やすことにも繋がっています。保育士にとって、子ども達の成長を間近で感じることは大きなやりがいの一つです。質の高い保育を提供できる時間が増えることで、保育士自身の充実感や達成感が高まり、仕事への満足度向上に寄与しています。
これらの包括的な取り組みにより、東峰保育園は保育士が長く働き続けられる魅力的で安定した職場環境を作り出し、結果として定着率の向上を実現しています。
東峰保育園では、職員が働きがいを感じ、定着率を高めるために、円滑なコミュニケーションを非常に重視しています。業務負担の軽減や働きやすい環境整備と合わせて、職員間のコミュニケーションの質を高めるための工夫がなされています。
職員間のコミュニケーション方法
1. 相談しやすい雰囲気づくり
東峰保育園の職員の声からは、「誰にでも相談しやすい」という特長が挙げられています。保育に関する疑問や書類の作成方法など、分からないことを先輩に聞くと親身になって応えてくれる環境があります。
これは、上司や経験豊富な同僚が、後輩の相談に丁寧に耳を傾け、適切なアドバイスをすることで築かれています。
2. プライベートな会話の機会
仕事の話題だけでなく、プライベートな話も気軽にできる関係性が築かれていることも、職員間の良好なコミュニケーションに貢献しています。趣味や出身地などの個人的な情報を自然に共有する「自己開示」は、相手への信頼を伝え、親密な関係を築く上で効果的です。こうした会話は、職員が互いをより深く理解し、心理的な距離を縮めるのに役立ちます。
3. ポジティブな声かけと承認
日頃から、お互いの行動や仕事ぶりを認め、褒めることを意識したコミュニケーションが行われているようです。子ども達の成長を褒めるのと同様に、職員同士でも「できた!」という成功体験を共有し、ポジティブなフィードバックをすることで、職場の雰囲気は明るくなり、コミュニケーションが取りやすくなります。上司が部下の努力や成果を「ちゃんと見てくれている」と感じられることで、職員の士気も高まります。
4. 柔軟で継続的な改善と意見尊重の姿勢
東峰保育園では、新しい教育方法や保育のアイデアを積極的に取り入れ、常に内容を見直す姿勢を持っています。これは、先生方がお互いの意見を尊重し、より良い保育を目指して試行錯誤を繰り返す「探究心」に基づいています。意見を自由に言い合え、それが受け入れられる環境は、職員間の心理的安全性を高め、活発な議論と相互理解を促すでしょう。
5. チーム力の強化
業務負担の軽減や研修を通じた専門性の向上は、結果として職員間のチームワークを強化します。チームとして協力し、共通の目標に向かって努力する中で、自然とコミュニケーションの機会が増え、絆が深まります。これにより、困っている職員を助け合ったり、情報共有がスムーズになったりといった相乗効果が生まれます。
これらのコミュニケーション方法は、保育士が安心して働ける環境を作り、結果的に定着率の向上へと繋がっています。