MENU

お願い

当園は、こどもたちの保育を最優先におこなっております。お電話に出るまで、お待たせしてしまうこともあります。
可能でしたら、午前中の保育時間を避け、お昼寝の時間帯(12:30-15:00)にお電話をいただけますと幸いです。

お問い合わせ内容を正確に伺うため
①お名前
②お子さまのご年齢
③保育園を探している旨などのご用件
をお話いただけますと幸いです。

当園へお問い合わせの際は、今一度こちらの内容をご確認いただいた上でお問い合わせいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

電話をかける
栃木県宇都宮市東峰1丁目7-15

絵画指導は「理系の脳」を育てる実学である ~チョークアート指導から見る、東峰方式の「技術と表現」~ | 表現 | 東峰保育園 公式ブログ

東峰保育園では、専門家による本物の指導を取り入れ、子ども達の可能性を広げる取り組みを大切にしています。その一環として、プロのチョークアーティストである藤田真侑(ふじたまゆ)先生をお招きし、年長児を対象とした「チョークアート特別ワークショップ(全3回)」を実施いたしました。


藤田先生は教員免許をお持ちで、事前に描き方の資料を丁寧に準備してくださるなど、子ども達が安心して挑戦できる環境を整えてくださいました。子ども達の目線に立った分かりやすい言葉がけや、優しく温かなご指導に子ども達は大喜びで、「まゆ先生、見て!」と目を輝かせながら夢中でチョークを握っていました。


今回は、全3回にわたるワークショップの実践記録とともに、私たちが大切にしている「なぜ幼児期に『絵の描き方(基礎技術)』を丁寧に手渡す必要があるのか」「美術指導が育む空間認識力と理系の思考」について、お話ししたいと思います。


カフェやレストランの看板で見かけるような、おしゃれで立体感のあるチョークアート。一見難しそうに見えますが、押さえるべき「技法のポイント」を知れば、子ども達は驚くほど豊かな表現を見せてくれます。


【第1回】6月24日「アイスクリーム」


内容 チョークアートの基本である「指で色をぼかす技法」や「グラデーションの作り方」を学びました。


子ども達の様子 初めて触れるオイルパステルの感触に興味津々。「もっと濃くしたい」「指でこすると色が混ざって綺麗!」と、色の組み合わせを工夫しながらアイスを2本描き上げました。「納得がいくまでやり直したい」と繰り返し挑戦する粘り強さも見られました。


【第2回】7月8日「スイカ・かき氷」


内容 画用紙での下書き練習を経て、黒板ボードへスイカとかき氷を描きました。


子ども達の様子 前回のぼかし技法を生かし、迷うことなく制作をスタート。同じ「スイカ」「かき氷」という題材でも、色の重ね方やシロップの表現に一人ひとりの工夫と個性が溢れていました。完成後、自分の作品の工夫した点を言葉で説明する姿も見られました。


【第3回】7月16日「ヒトデ・貝殻」


内容 夏を題材に、複雑な形を持つヒトデと貝殻の立体表現に挑戦しました。


子ども達の様子 チョークの扱いにもすっかり慣れ、枠にとらわれない大胆な表現が増えました。友達の作品を見て「そのグラデーションいいね!」とお互いの良さを認め合い、1時間の活動時間を集中して最後までやり遂げました。


全3回を通して、子ども達は確かな基本技法を身に付け、ここから作品展に向けた大きな共同制作へと進んでいきます。


幼児期の絵画指導においては、「子どもの感性を大切にするために、大人は描き方を教えず自由に描かせることが望ましい」という考え方が広く親しまれています。確かに、幼児期にしか描けない素直で純粋無垢な絵や、新聞紙をダイナミックに使って感性を開放させる遊びにも素晴らしい価値があります。


一方で、現場に立っていると、道具の使い方が分からずに画用紙の前で「先生、描けない」「どうやって描けばいいの?」と戸惑い、画用紙の隅の方に小さく描いて筆を止めてしまう子ども達の姿に出会うこともあります。


自転車に乗る時も、まずは補助輪や基本的なバランスの取り方を練習するように、絵画においても「道具の使い方や表現の基礎」を丁寧に伝えることが、子ども達の安心感や自信に繋がるのではないかと考えています。


・ペンの正しい持ち方

・クレヨンを寝かせたり立てたりする使い分けや、色の塗り重ね方

・筆の種類(平筆・丸筆)による線の違い

・バケツの仕切りを使った筆のすすぎ方と、水量による濃淡の出し方

・指を使ったぼかしやグラデーションの技法


書道で「とめ・はね・はらい」の基本を練習して美しい文字が書けるようになるように、また大工さんが道具の扱いを身に付けて立派な家を建てるように、絵画も基礎的な技法を身に付けることで、子ども達は自分の思い描いたイメージを画用紙の上に表現できるようになります。


子ども達の絵の上達を見ていると、友達の描くキラキラした瞳やカールした髪を真似てみたり、大好きなキャラクターを模写したりする「見よう見まね」から多くのことを吸収しています。「好きだから描く。描くから上手になる。上手になるからもっと好きになる。」という肯定的な循環を生み出すためにも、基礎的な手本や技術を優しく手渡してあげることが大切だと実感しています。


私たちが絵画指導を大切にしているのは、単に上手に描く技術を身に付けることだけが目的ではありません。将来の学びや生活を豊かに支える「空間認識力や構造把握力(理系の思考力)」の土台を育てる実学としての意味を持っています。


知能指数(IQ)テストの項目を見ても、図形問題や立体の展開、相似形の識別、視点を変えて物を見る力など、多くの数学的・空間的要素が含まれています。


古代の壁画からルネサンスの遠近法・陰影法に至るまで、人類は三次元の空間を二次元の平面に表現する高度な工夫を重ねてきました。


・目の前にある三次元の立体物を、二次元の平面に落とし込んで捉える力

・フリーハンドで正確な正方形や円、直線を描く空間把握力

・世の中のあらゆる物体を「四角」「三角」「丸」の基本構造に分解して見る視点


物事を立体的に捉え、構造を分析して平面に表現する力は、将来の数学や幾何学、物理学、さらには工学やものづくりの分野にも通じる大切な思考の根っこです。美術や造形活動は、子どもの脳に緻密な「空間認識の回路」を育む貴重な学びの場でもあります。


東峰保育園独自の教育体系「東峰方式」では、人間形成の基本として以下の「五育」を軸に据えています。


知育 漢字の音読や言葉の教育を通して、自ら深く考える地頭(思考力)や空間認識の芽を育てる

体育 健康で丈夫な身体をつくり、運動指導や多様な身体感覚を通して、強靭な身体とレジリエンス(折れない心)を養う
  ※身体を強くし健全に保つことが、善い行いをする心(徳)を育む土台になると考えています。

徳育 挨拶や礼儀、人を思いやる心、自分を律する心を培う

緑育 身近な自然観察や野外教育を通して、豊かな感性と生命を敬う心を育てる

食育 自園調理の安心・安全で美味しい給食やSDGsへの取り組みを通して、健全な身体と感謝の心を育む

野菜の栽培と収穫 命を育てる体験を通し、食べ物の大切さを学ぶ

クッキング保育 育てた野菜を調理し、食への理解と感謝を深める

食品ロス削減 残飯量の見える化などを通し、持続可能な社会への意識を育む


そして、この確かな五育の土台の上に、チョークアートや音楽、表現活動といった「才育(豊かな生活を送るための専門技術・感性)」をプラスしていくこと。これこそが、子ども達が将来どのような道に進んでも自分らしく生きていくための総合的な人間教育です。


「道具の使い方を知ることで、描くことが楽しくなる」

「基本を知るからこそ、自由で豊かな表現へと羽ばたける」


チョークの扱い方を覚えた子ども達が、黒板いっぱいに自信を持って自分の世界を広げている姿を見ていると、基礎基本を丁寧に教えることの価値を改めて実感します。


道具の使い方を知り、色の濃淡やグラデーションに夢中になって取り組む子ども達の集中力は、大人の想像をはるかに超えるものがあります。


東峰保育園はこれからも、子ども達の20年先の未来を見据え、生涯の支えとなる確かな力と自信を育む教育を、一つひとつ丁寧に実践してまいります。

子ども達が心を込めて取り組む共同制作の作品は、今後の園内作品展でも展示いたしますので、ぜひ温かく見守っていただければ幸いです。


東峰保育園 園長

吉沢 偉仁

一覧に戻る