一斉保育と主体性は矛盾しない〜東峰方式が目指す「導き、育む」保育〜
世間ではよく「一斉保育中心だと大人の指示ばかりになり、子どもの主体性が育たない」「自由保育こそが子どものためになる」といった意見を耳にします。 しかし、私は一斉保育と主体性が決して矛盾するものではないと考えています。
もちろん、ただ自由にさせているだけでは、子ども達の成長は興味のある狭い世界に偏ってしまいます。一方で、万能な教育者でも神様でもない現場の保育士に対し、「自由保育の中で個に応じたあらゆるアプローチをしなさい」と求めるのは現実的ではありません。個々の保育士の力量に頼り切った保育では、提供できる幼児教育の質に差が生まれてしまうからです。
だからこそ東峰保育園では、歴史的に培われてきた一斉保育の枠組みを活かしつつ、集団活動の中でも確実にお一人おひとりの主体性を伸ばす独自のカリキュラム「東峰方式」を実践しています。
東峰方式が考える「一斉保育の中の主体性」
東峰保育園は「一斉保育=主体性が育たない」とは考えていません。 私たちが大切にしているのは、「一斉保育という確かな枠組み(環境)を大人が用意し、その中で子ども達がどう考え、どう表現し、どう取り組むかという選択の余白を残す」ことです。
先生が一方的に指示してやらせるのではなく、意図的な問いかけや選択肢を通して、子ども達自らの「やりたい」「こうしてみよう」という意欲と考える力を引き出します。
具体的な取り組み:毎日の一斉活動から広がる可能性
東峰方式の一斉活動は、多岐にわたるプログラムを通じて「社会で生きるための普遍的な力」を育てています。
1. 立腰(りつよう)と言葉・国語の活動
毎日、心を整える姿勢づくり「立腰」とあいさつから一斉保育が始まります。みんなで同じ姿勢を意識しつつも、集中する感覚は子ども達自身に委ねます。また、言葉・国語の活動では同じ題材を扱いながらも、「自分の考えをどう言葉にするか」という一人ひとりの表現の主体性を尊重しています。
2. 体づくりと自然体験
体操や運動遊びでは、単に「できる・できない」で線を引くのではなく、「どう工夫するか」「次はどう試してみるか」といった声かけを行い、挑戦する気持ちを促します。また、クラス単位での園外活動(自然体験)でも、何を観察し、どう感じたかという気づきの主体性を大切にしています。
3. 思考力を育てる「囲碁教室」などの知的あそび
一斉活動の中に「囲碁教室」を取り入れているのも特徴です。全員で同じ盤面を囲みながらも、「次にどこへ打つか」「どう作戦を立てるか」は一人ひとりの判断に委ねられ、集中力や論理的思考力、問題解決力を養っています。
保育士の力量に頼らない、質の高い保育をすべての子ども達へ
一見すると「きっちりとした一斉保育」に見えるかもしれません。 しかし、大人が責任を持って成長に必要なプログラムを用意し、その中で子ども達自身に考えさせる余白を作るこの仕組みがあるからこそ、保育士の個人的なスキルに左右されることなく、どのクラスでも子ども達の可能性を均一に、そして極限まで引き出すことができるのです。
子ども達の10年、20年先の未来を見据え、自ら人生を切り開く強さを育てるために――。 これからも東峰保育園は、確固たる信念と仕組みを持って子ども達の育ちに向き合ってまいります。
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なぜ私は子どもの「主体性」にそこまでこだわるのか?〜自ら生きる力を育む教育へ〜
東峰保育園の保育において、私が何よりも大切にしているのが子ども達の「主体性」です。
なぜそこまで「主体性」にこだわるのか? なぜ一斉保育の良さを活かしながらも、子どもの自立的な思考や行動を育む「東峰方式」へと大きく舵を切ったのか。
今回は、私の原点となる体験と、この教育観に至った理由についてお話ししたいと思います。
1. 自身の幼少期から得た「子どもは自ら育つ」という確信
私の保育観の原点は、自分自身の幼少期にあります。 私は共働き家庭で育ち、子ども時代は一人で自由に遊ぶ時間がとても多くありました。
誰かに指示されるわけでもなく、自分で遊びを考え、あれこれ工夫しながら時間を過ごす。その中で試行錯誤した経験こそが、私の基礎を作ってくれました。この実体験から私は、「子どもは本質的に、自ら考えて育つ素晴らしい力を持っている」と強く確信したのです。
2. 「させる保育」への違和感と一斉保育の限界
歴史的に日本の保育現場では、大人が主導する「一斉保育」が主流でした。もちろん集団生活のルールを学ぶ良さはありますが、それだけに偏ってしまうと、どうしても大人が「させる保育」になってしまいます。
指示通りに要領よく動ける子が評価される一方で、自分の頭で深く考えて行動しようとする子の良さが見えにくくなってしまう。そして何より、決められた枠の中で受動的に動くことばかりを経験していると、これからの時代を生き抜くために最も重要な「自分の頭で考えて行動する力」が育ちにくくなってしまいます。
「このままでは、子ども達の将来に必要な土台を創ることはできない」という強い問題意識が、私を新しい挑戦へと突き動かしました。
3. 幼児期こそ、主体性を伸ばす最高の黄金期
幼児期というのは、実に不思議で素晴らしい時期です。 理由など分からなくても「何でも面白そう!やってみたい!」と、純粋な好奇心と情熱をもって世界に出会うことができる、一生に一度の特別な時期だからです。
この大切な時期に、「指示を待つ」のではなく「自分で試してみる」「考えて行動してみる」という経験をどれだけ積み重ねられるか。それが、その後の学びや、人生において直面する様々な壁を乗り越える力(非認知能力)の決定的な土台となります。
4. 自分の人生を、自分の足で歩める「幸せ」を届けるために
私が考える「幸せな人生」とは、誰かに敷かれたレールをただ進むことではなく、自分の頭で考え、判断し、自分の意思で選択して歩んでいく主体的な生き方です。
だからこそ、幼少期の保育において単なる「従順さ」を求めるのではなく、自立的な思考と行動力を育ててあげること。それこそが、子ども達の将来の幸せに直結するのだと固く信じています。
知的教育(知育)の学びと、自律的に考える力(非認知能力)を一つに融合させ、子ども達が自ら未来を切り開いていけるように――。東峰保育園はこれからも、一人ひとりの主体性を最大限に引き出す保育を徹底して追及してまいります。
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