国語教育で培われる基礎学力
落語を聞いて、すんなり理解して楽しめる子どもと、内容が分からずに飽きてしまう子どもがいるとされています。この違いは、園長が重要視する「国語教育」で培われる基礎学力の差であると言えるでしょう。
語彙力が乏しいと、考える力や創造する力が劣り、「やばい」「うざい」といった幼稚な表現しかできなくなり、より深い思考に発展させることが難しくなると指摘しています。
そのため、東峰保育園の柱となっている国語教育は、単に語彙を増やすだけでなく、言葉が持つ力や美しさを幼い頃から肌で感じさせることに重点を置いています。これにより、子ども達の知性と感性を同時に磨き、思考の世界を広げることに繋がると考えています。
東京大学の入試問題(2014年)で、藤山直樹氏の『落語の国の精神分析』が出題されたことからも分かるように、落語は人間の本質や社会を深く洞察する要素を含んでおり、鑑賞には高い言語理解力や思考力が求められます。このような題材を理解できるかどうかが、国語教育の成果を量る一つの指標となるかもしれません。
東峰方式(ヒガシミネ方式)で、賢い子を育てましょう。
「国語力」と「数学力」には密接な相関関係があり、どちらか一方だけでなく両方をバランス良く伸ばすことが重要であると考えられています。
特に、両者に共通する「論理的思考力」や「読解力」は、それぞれの科目の成績だけでなく、問題解決能力やコミュニケーション能力の向上にもつながります。
国語力と数学力の関係性
読解力の重要性
数学の問題文を正確に理解するには、国語の読解力が必要です。文章で与えられた情報を整理し、重要な要素を把握する能力は、数式やグラフに変換して問題を解決する上で不可欠です。
例えば、算数の「文章題」が苦手な子どもは、国語の「読解力」にも課題があることが多いと言われています。多くの科目の基礎となるのは国語力、特に読解力だという意見もあります。
論理的思考力の共通性
「国語」と「数学」は一見異なる科目ですが、どちらも「論理的思考力」を養う点で共通しています。
国語では文章の論理構造を理解し、自分の考えを論理的に組み立てて表現する力が求められます。
一方、数学では定理や公式を使って論理的に証明を導き出す力が不可欠です。これらの能力は互いに補完し合い、総合的な思考力の向上に寄与します。
抽象的な概念の理解
「国語」と「数学」は、抽象的な概念を扱ことが多い点でも共通しています。抽象的な事柄を理解し、それを別の言葉や数式で表現する、つまり「言い換える」作業は、両方の科目で求められる高度な能力です。
大学進学と国語力
イギリスの研究では、高校1年生時点の国語力(英語力)が大学進学率を高める効果が、数学力よりも2〜3倍大きいという結果が出ています。これは、大学入試において国語力が重視される傾向や、文系学部の学生数が多いことなどが影響している可能性が指摘されています。
「国語力」と「数学力」の相関関係は、特定の学年や年齢から急に始まるというよりは、学習が進むにつれてその重要性が顕在化していく、と考えるのが適切です。
特に「読解力」や「論理的思考力」といった国語力の根幹をなす要素は、幼少期から育まれ、それが数学の学習にも深く影響を与えます。
相関関係が顕在化する時期
小学生から中学生
小学生の段階では、算数の文章題を解く際に、問題文の内容を正しく理解する「読解力」が不可欠です。
例えば、算数の文章題が苦手な子どもは、国語の「読解力」にも課題があることが多いと言われています。
また、言葉の森の調査では、小学生の内は作文力が、中学生になると語彙力や読解力が「頭のよさ」と深く関係すると報告されています。
※国語教育を重要視する理由として、「日本語の言語体系が確立していない子どもに英語を教えても無駄」だと考えています。幼児期から英語を習うよりも、読解力と論理的思考力を育てること、「頭のよさ」を伸ばすことが大切だと思います。
高校生から大学受験
高校生になると、共通テストの数学でその相関はさらに顕著になります。2021年度から実施されている共通テストの数学では、従来の計算力だけでなく、長い問題文から必要な情報を素早く読み取り、何が問われているのかを正確に把握する「読解力」が重視されるようになりました。数学の問題を解くためには、問題文を正確に読み解く「国語力」が不可欠であり、これが数学の成績を左右する重要な要素となります。
読解力が全教科の基礎に
ベネッセの調査によると、小学5年生の段階で「読解力」と国語、算数の学力の間には明確な正の相関が認められています。
特に、読解力は国語だけでなく算数(数学)の学力とも密接な関係があることが示唆されています。この「読解力」は、語彙力、単語を読む力、接続詞の取り扱い、意味解釈といった複数の要素で構成されており、これらが総合的に科学や生物の学力とも関係があることが、海外の研究でも示されています。
このように、「国語力」と「数学力」の相関関係は、学習の初期段階から始まり、学年が上がるにつれてその結びつきがより強固になり、特に複雑な思考や情報処理が求められる場面でその重要性が際立ってきます。
「読解力」を育むことは、学業だけでなく日常生活や社会での活躍のためにも非常に重要です。
読解力は「文章を正確に理解し、適切に解釈する能力」であり、単に文字を追うだけでなく、文章の意図や背景を理解・把握し、自分の意見を形成する力も含まれます。
読解力を育む具体的な方法
1. 読書習慣を身につける
読解力向上において、読書習慣は最も基本的なアプローチです。幼い頃から絵本や漫画、雑誌など、子どもが興味を持てるものから読み始めることが大切です。
図書館へ一緒に足を運び、好きな本を選ばせるのも良いでしょう。様々なジャンルの本に触れることで、知識や語彙が豊かになり、文章の構造や多様な表現に慣れることができます。
2. 語彙力を高める
読解力の土台となるのが語彙力です。言葉の意味が分からなければ、文章を正確に理解することはできません。
辞書を引く習慣:分からない言葉に出会ったら、すぐに辞書で調べる習慣をつけましょう。言葉の意味だけでなく、使い方や類義語も知ることで、より深く理解できます。
文脈からの類推:新しい言葉が出てきたときに、漢字や文脈、これまでの知識をもとに意味を類推する力も養いましょう。
3. 音読を取り入れる
「音読」は、文章を声に出して読むことで、目で追うだけでは見過ごしがちな細かな部分に注意を払い、文章のリズムや構造を意識しながら理解を深めるのに効果的です。感情やトーンを捉えることで、登場人物の心情や物語の流れをより深く理解することにも繋がります。
4. 文章の要約と表現
読んだ内容を自分の言葉でまとめる「要約」は、読解力を鍛える上で非常に効果的です。内容を理解するだけでなく、重要なポイントを捉える力が付き、記憶力や表現力も向上します。要約した内容を他の人に説明することで、自分の理解度を確認し、さらに理解を深めることもできます。
5. 親子での対話とディスカッション
読んだ本について親子で話し合うことは、読解力の基礎を育む上で重要です。
感想や意見の共有:読んだ本について「どこが面白かったか」「どう感じたか」などを話し合うことで、文章全体の構成を把握したり、要約したりする力が身に付きます。
問いかけ:クイズ形式で「この内容は書いてあった?書いていなかった?」など、楽しみながら内容理解を深めることができます。
6. 多様な文章に触れる
物語や漫画だけでなく、科学、歴史、地理などのノンフィクション、新聞、説明文、論説文など、さまざまなジャンルの文章を読むことが大切です。これにより、異なる文章構造や表現に慣れ、幅広い知識を得ることができます。
7. クイズやゲーム形式で楽しむ
「読解」に特化した問題集を利用するだけでなく、クイズやゲーム形式で取り組むことで、子ども達は楽しみながら読解力を強化できます。保護者が問題文をアレンジしたり、音読したりしながら、「ピンポーン!」「やったね!」といった声かけをすることで、ポジティブな雰囲気を作り出すことが大切です。
「読解力」と「論理的思考力」は密接に関係しており、読解力は論理的思考力の基盤となると考えられています。文章を正確に理解し、その内容を論理的に整理する能力は、思考を深める上で不可欠です。
読解力と論理的思考力の関係性
思考の土台としての読解力
読解力は、単に文章の内容を理解するだけでなく、その意味するところを論理的に捉えて頭の中で整理する力を指します。長い文章を読み解く際には、文節同士の関係や接続語の働きに注意し、文の繋がりを整理するなど、非常に論理的な思考力が求められます。
情報の収集・整理・表現
論理的思考力は、「必要な情報を集める」「それを順序良く組み立てて理解する」「筋道を立てて説明する」という一連の流れで構成されます。読解力を身に付けることで、これらの情報収集、整理・理解、論理的表現力が向上し、結果として思考力が高まります。
全ての科目の土台
読解力によって培われる能力は、国語の枠を超えて、算数や理科、社会といった他の教科でも役立ちます。
例えば、算数の文章題の意味を正しく理解したり、理科や社会でデータや数表を読み解いて答えを導き出したりする際にも、読解力に基づいた論理的思考力が不可欠です。