「東峰方式(ヒガシミネ方式)」の教育哲学
吉沢偉仁(よしざわひでひと)は25歳で園長に就任した際、先代園長(吉澤久子)より、鬼怒川温泉の大きな旅館はバブル崩壊で廃れてしまったが、小さくても質の高いサービスを提供すれば生き残れる。だから、いずれ来る少子化に向けて、保育園の規模は大きくせず、質の高いサービスで日本一の保育園にしてほしいと言われました。
「保育内容で日本一になる」という強い思いを受け継ぎ、30年にわたる実践と研究を経て、個を重視した独自の保育法「東峰方式(ヒガシミネ方式)」を考案しました。
東峰保育園の教育理念と歴史についてお話ししたいと思います。
「東峰方式(ヒガシミネ方式)」に込められた教育哲学
園長の吉沢偉仁は、25歳で園長に就任した際、先代(吉澤久子)の志を受け継ぎ、30年かけて個を重視した保育法「東峰方式(ヒガシミネ方式)」を考案しました。その最終目標は、子ども達が「幸せな人生を歩むこと」であり、そのために自律心を育むことを重視しています。
保育目標と実践
東峰保育園の保育目標は、「丈夫な体を持ち情緒豊かな子」「頑張って最後までやりとげる子」「子どもらしい礼儀と優しさを持った子」を育むことです。これらの目標達成のため、以下の取り組みを通じて子ども達の非認知能力(自立的思考・行動能力)を伸ばしています。
・多様な教育:体操教室、音楽教室、美術教育、漢字仮名交じり教育、野外教育など、幅広いプログラムを通じて子どもの可能性を引き出します。
・緑育(りょくいく):自然の中で様々な活動を行い、物や人との関わりを通して社会性やルールを学びます。
・保育園ならではの教育:保育時間が長い保育園の特性を活かし、一貫した教育を連続した時間の中で行うことで、より深い学びを提供しています。
園舎移転と日本財団からの助成金
平成14年1月、東峰保育園は区画整理事業に伴い新園舎へ移転しました。その際、園舎建て替え費用を確保するため、日本財団の助成金に応募しました。
この助成金は、日本で一園しか選ばれない、倍率の高い児童福祉に関する最後の大口助成金でした。そこに東峰保育園が選ばれたということは、これまでの活動が日本で一番評価された園であることを示しています。9,000万円にのぼる助成金によって、現在の東峰保育園の素晴らしい環境が実現しました。
吉沢偉仁(よしざわひでひと)は、研究者ではなく、長年保育の現場で子ども達と向き合い、実践を通して独自の保育を築いてきた「保育実践者」です。東峰保育園の園長として、通常の保育業務だけでなく、多岐にわたる社会貢献活動や先進的な取り組みを積極的に行ってきました。彼の保育理念は、単に知識を詰め込むのではなく、子どもが自ら考え行動する主体性を育む、内面的な成長を重視しています。