園長が掲げる教育理念:幸せな人生を歩むための「自律心」
教育理念:幸せな人生を歩むための「自律心」
東峰保育園の園長、吉沢偉仁(よしざわひでひと)が掲げる教育理念は、「幼児教育の最終目標は、子ども達が幸せな人生を歩むこと」です。
この目標を達成するために、園長は「自律心」を育むことを最も重要視しています。
園長が考える自律心とは、単に一人で何でもこなせるようになることではありません。それは、自分で考え、判断し、行動する力、そして困難に直面しても諦めずに立ち向かう力を指します。
東峰保育園では、この自律心の土台を築くため、以下のようなアプローチで保育を行っています。
・多様な活動を通じた成功体験:子ども達は、ピアノ、体操、ダンスなどの様々な活動に挑戦することで、「できた!」という成功体験を積み重ねます。この体験が、大きな自信となり、新たな挑戦への意欲につながります。
・個を尊重する保育:子ども達一人ひとりの個性や発達段階に合わせた丁寧な指導を行うことで、自分の得意なことを見つけ、自信を育むことができます。
・ヒガシミネ方式が確立する転換点:の一つとなったのが、真言宗の僧侶で人気YouTuberの「松島龍戒」氏や般若心経の「空」の学びを取り入れたことでした。
このような教育理念は、保護者や地域社会からも高く評価されており、多くの方々に支持されています。
自律心を育てる上での難しさ
1. 「自律」と「自立」の違いの理解と実践
「自律」とは、自分でルールを作り、自分の行動を統制・制御しようとすることであり、自分をコントロールする意味合いが含まれます。
一方、「自立」は他者に頼らず独立している状態を指します。この二つの概念を混同せず、それぞれの段階や特性に応じたアプローチをすることが重要です。
特に幼児期においては、自己中心的になりがちな子どもに対して、社会のルールや他者との関わりの中で自分の行動を「律する」ことを教えるのは難しい側面があります。
2. 言葉での「教え込み」の限界
幼い子どもにとって、言葉だけで理屈を説明しても、理解させるのは非常に困難です。親や保育者が一生懸命説明しても、子どもがどこまで理解しているか把握しづらく、コミュニケーションの難しさが生じます。
言葉を使うコミュニケーションがまだ十分に発達していない幼児期に、どのようにして「自律心」という抽象的な概念を伝えていくかが課題となります。
3. 子どもに「やらせすぎない」「与えすぎない」こと
子どもの自律心を育むためには、「自分でやりたい」という気持ちを尊重し、様々な経験を通じて達成感を味わわせることが大切です。
しかし、親や保育者が先回りしてすべてをやってしまったり、子どもが求める物をすべて与えてしまうと、子どもは自分で考えたり判断したりする機会を失い、親に依存する傾向が強くなる可能性があります。
子どもに任せることには忍耐が必要であり、危険や手間を避けたいという気持ちとの葛藤が生じます。
4. 保護者との連携
「こんな子に育ってほしい」という保護者の願いは尊いものですが、そのための手段や方法が子どもに合っていないと、心のすれ違いが生じ、自律心を育むことが難しくなる場合があります。
園と家庭とで「自律心」育成に対する共通理解を持ち、一貫したアプローチをすることの重要性は認識されているものの、それぞれ異なる育児観や教育観を持つ保護者との足並みを揃えることには難しさがあります。
5. 発達段階に応じたアプローチ
自律心は、子どもの発達段階に応じて変化します。2〜3歳頃には本能的欲求に基づく衝動的な行動が中心である一方、就学期に向けて周囲の規範を意識し始めるなど、段階的な変化が見られます。
そのため、子どもの年齢や個性に応じた適切な関わり方が求められ、画一的な指導では効果が得られにくいという難しさがあります。
自律心は、子どもが自分らしい人生を歩み、後悔のない人生を送るために不可欠な能力ですが、その育成には多くの工夫と忍耐、そして周囲の理解が必要とされます。