保育目標の達成を目指して
東峰保育園の園長、吉沢偉仁(よしざわひでひと)が考案した**「東峰方式(ヒガシミネ方式)」は、まさに保育目標の達成**を目指した一貫性のある取り組みです。
・多様なカリキュラム(体操、音楽、美術、漢字教育、野外教育など)
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・成功体験の積み重ね(できた!という喜びと自信)
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・保育目標の達成
・丈夫な体を持ち情緒豊かな子
・頑張って最後までやりとげる子
・子どもらしい礼儀と優しさを持った子
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・「幸せな人生を歩む」ための自律心の育成
このように、東峰保育園の教育は、理念、目標、そして日々の活動がすべて繋がっており、子どもたちが将来にわたって生きていくための確かな力を育むことを目指しています。
東峰方式(ヒガシミネ方式)は、単なる保育の技術ではなく、子ども達の健全な成長と将来の幸福を見据えた包括的な教育哲学に基づいています。
これらの哲学を実現するために、東峰方式(ヒガシミネ方式)では多岐にわたる実践プログラムを展開しています。
吉沢偉仁が提唱する「東峰方式(ヒガシミネ方式)」は、リベラルアーツ(自由な思考と探求心を育むことを目的とし、特定の専門分野に偏らない幅広い教養を身につける学問)のように幅広い分野を学び、子どもの知的好奇心を引き出すことを重視しています。これは、国内外の様々な教育実践からヒントを得ています。
その理念は、特定の師から直接学んだというよりも、教育学や心理学の幅広い知見、そして自身の長年の保育実践と子ども達への深い洞察から独自に形成されてきたものです。
吉沢偉仁の保育理念の独自性
吉沢偉仁の保育理念は、一見すると既存の教育論と共通する部分が多いように見えますが、その根底にある独自の解釈と実践方法に他にはない独自性があります。
少人数制保育へのこだわり
東峰保育園は、創設当初から少人数制にこだわってきました。これは、一人ひとりの子どもにきめ細やかな関わりを持ち、個性を尊重した保育を行うためです。吉沢園長もこの方針を継承し、子ども達が「ありのままの自分」を表現できる安心できる環境づくりを大切にしています。
少人数制保育は、保育士が担当する子どもの数を少なくすることで、一人ひとりの子どもにきめ細やかな関わりができる保育のことです。これは、子ども達の成長をサポートする上で非常に重要だと考えられています。
具体的な例
個別対応の充実:少人数制では、保育士が子ども一人ひとりの個性や発達段階、興味に合わせて対応する時間が増えます。また、体調の変化や心理的な不安をいち早く察知し、個別に対応することで、子どもが安心して過ごせる環境を作ります。
信頼関係の構築:担当する子どもの数が少ないため、保育士と子ども、そして保護者との間に密接な信頼関係が築きやすくなります。これにより、子どもは安心して自己表現ができ、新しいことにも意欲的に挑戦できるようになります。保護者も日々の様子を詳しく知ることができ、育児への安心感につながります。
家庭的な雰囲気:少人数制保育では、アットホームな雰囲気の中で、子ども達が兄弟姉妹のような関係を築きやすいという特徴があります。他の子ども達との交流を通じて、コミュニケーション能力や思いやりといった社会性を自然と身に付けていくことができます。
質の高い保育の実践:大規模な保育園では難しい、子どもの意見を取り入れた柔軟なカリキュラムや、苦手を克服するための個別指導など、子ども達の状況に合わせた質の高い保育が提供しやすくなります。
自律心を育てる上での難しさ
1. 「自律」と「自立」の違いの理解と実践
「自律」とは、自分でルールを作り、自分の行動を統制・制御しようとすることであり、自分をコントロールする意味合いが含まれます。
一方、「自立」は他者に頼らず独立している状態を指します。この二つの概念を混同せず、それぞれの段階や特性に応じたアプローチをすることが重要です。
特に幼児期においては、自己中心的になりがちな子どもに対して、社会のルールや他者との関わりの中で自分の行動を「律する」ことを教えるのは難しい側面があります。
2. 言葉での「教え込み」の限界
幼い子どもにとって、言葉だけで理屈を説明しても、理解させるのは非常に困難です。親や保育者が一生懸命説明しても、子どもがどこまで理解しているか把握しづらく、コミュニケーションの難しさが生じます。
言葉を使うコミュニケーションがまだ十分に発達していない幼児期に、どのようにして「自律心」という抽象的な概念を伝えていくかが課題となります。
3. 子どもに「やらせすぎない」「与えすぎない」こと
子どもの自律心を育むためには、「自分でやりたい」という気持ちを尊重し、様々な経験を通じて達成感を味わわせることが大切です。
しかし、親や保育者が先回りしてすべてをやってしまったり、子どもが求める物をすべて与えてしまうと、子どもは自分で考えたり判断したりする機会を失い、親に依存する傾向が強くなる可能性があります。
子どもに任せることには忍耐が必要であり、危険や手間を避けたいという気持ちとの葛藤が生じます。
4. 保護者との連携
「こんな子に育ってほしい」という保護者の願いは尊いものですが、そのための手段や方法が子どもに合っていないと、心のすれ違いが生じ、自律心を育むことが難しくなる場合があります。
園と家庭とで「自律心」育成に対する共通理解を持ち、一貫したアプローチをすることの重要性は認識されているものの、それぞれ異なる育児観や教育観を持つ保護者との足並みを揃えることには難しさがあります。
5. 発達段階に応じたアプローチ
自律心は、子どもの発達段階に応じて変化します。2〜3歳頃には本能的欲求に基づく衝動的な行動が中心である一方、就学期に向けて周囲の規範を意識し始めるなど、段階的な変化が見られます。
そのため、子どもの年齢や個性に応じた適切な関わり方が求められ、画一的な指導では効果が得られにくいという難しさがあります。
自律心は、子どもが自分らしい人生を歩み、後悔のない人生を送るために不可欠な能力ですが、その育成には多くの工夫と忍耐、そして周囲の理解が必要とされます。